今回の患者さまはバレエの練習中に着地したタイミングでブチっという音がして、
後ろから蹴られたような感覚があったそうです。
一度近くの病院を受診したそうですが、
その病院では手術以外は対応していないとのことで当院へ来院されました。
1.受診当日(エコー検査から固定)
エコーを使って断裂部分の状態を確認していきます。
今回の場合完全断裂ではなく、アキレス腱の一部はつながっている部分断裂だということがわかりました。
患部の損傷状態が確認できたら足首の角度を決めて固定します。
足首は底屈位と呼ばれるつま先を伸ばした姿勢で固定を行い、アキレス腱の断裂端同士をよせるような肢位にします。
2.断裂から2週間後
ギプスカッターで固定を外し、足首の角度を変えて再び固定を行います。
このタイミングでもう一度エコー検査を行いアキレス腱の回復経過を確認します。
初回の画像と比べると、黒い隙間があった部分に薄く灰色の影が見えます。
これはアキレス腱の断裂部分を繋げる役割を持つ結合組織で、
アキレス腱が回復してきている証拠です。
3.断裂から4週間後
再び固定を外してエコー検査で状態の確認をします。
2週間後と比べると、明らかに灰色が濃くなっているのが分かります。
ここまでくるとギプス固定ではなく、サポーターや包帯での固定に切り替えます。
しかし、アキレス腱の強度はまだ弱いため、
再断裂防止のため患者様には日常生活で注意してほしいことをお伝えします。
4.リハビリ期間
ここから先は固定期間ではなく、リハビリ期間となります。
リハビリ期間の最初に1ヶ月目は通院頻度を2日に1回として、可動域回復と筋力回復を行なっていきます。
その後通院頻度を落としつつリハビリを行っていきます。
初めは歩くのもぎこちないですが、経過とともに必ず通常歩行に戻る事ができます。
5.断裂から3ヶ月後
エコー画像上アキレス腱はにくっついてきています。
しかしながら、長期固定による可動域制限と筋力不足がまだまだ残存しているため、
筋膜リリースと運動療法でリハビリを行いながらウォーキングを行なってもらいます。
歩行からジョギングまでの記録動画
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