スポーツシーンではもちろん日常生活のふとした瞬間にも多く起きる怪我の一つが足関節捻挫です。

”捻挫”というと多くの人が足首の捻挫を思い浮かべる程、メジャーな怪我の一つです。

このページでは足関節捻挫の起きる原因と対処法や予防について説明していきます。

1,足関節(足首)捻挫の概要

足関節の解剖図

●足関節(足首の構造)

足には19本の指の骨と7個の足根骨があります。

そして足の上に脛骨と腓骨という2本のすねの骨が乗っかるようにして足関節は出来ています。

骨以外には靭帯や腱等の組織があります。

靭帯は骨と骨を繋ぐように付着していて、骨同士がずれるのを防ぐ役割があります。
腱というのは筋肉と骨を繋ぐもので、足首での有名な腱はアキレス腱があります。

●捻挫の種類(内反と外反)

足関節捻挫はひねり方によって種類分けされています。

大きく2つに分けると内がえし捻挫と外がえし捻挫に分けられ、この2つで圧倒的に多いのが内がえし捻挫です。

脛骨と腓骨の長さを比べると外側にある腓骨の方が長いため、内側に捻りやすいという解剖学的特徴があります。

・内がえし捻挫

内がえし捻挫というのは足の裏が内側を向くようにして捻ってしまう捻挫です。

ハイヒールのような靴を履いている人や、ダッシュやジャンプが多いスポーツで起こりやすい怪我です。
スポーツ中で最も多い怪我の一つにこの内がえし捻挫があります。

内がえし捻挫で痛める可能性のある組織はいくつかあります。

最も多いのが前距腓靭帯、次いで踵腓靭帯、後距腓靭帯となっています。
ここを損傷すると外くるぶしの前や下に腫れや痛みが出現します。

・外がえし捻挫

外がえし捻挫とは内がえしの逆で足の裏が外を向くように捻ってしまう捻挫です。

外側にある腓骨の方が脛骨よりも長いためなかなか起こりにくい捻挫ではありますが、サッカーシューズ等のスパイクが地面に食い込み、足が地面に固定されている時によく起こります。

この捻挫では内くるぶしのあたりにある三角靭帯(前脛距靭帯・後脛距靭帯・脛舟靭帯・脛踵靭帯)を痛めることが多いです。

外がえし捻挫の場合、体重を乗せた時に三角靭帯負荷がかかるため内がえし捻挫よりも治りが悪い事が多いです。

足関節(足首)捻挫の症状

足関節捻挫での皮下出血

足関節(足首)捻挫の症状

・痛み

靭帯の損傷程度にもよりますが、捻挫直後は強い痛みが出ます。

内がえし捻挫の場合は外くるぶし周辺、外がえし捻挫の場合は内くるぶ周辺に痛みが出ます。くるぶしの周辺には損傷しやすい靭帯が密集しているため、手で押すとかなりの痛みを感じます。

・腫れ

損傷をした組織から血液などの体液が出てきて関節部分に溜まるため、足首が腫れてきます。

腫れには熱感があり、患部に拍動を感じることもあります。

・皮下出血

受傷した際の出血したが皮膚の下に浮き出てくる事があります。

初めは紫色で治っていくと緑色や黄色に変化してきます。

また時間が経つにつれ出血箇所が移動することがありますが、これは重力によるものなので心配ありません。

●靭帯損傷の程度による分類

靭帯の損傷程度によって捻挫は3つに分類されます。

1度損傷:靭帯が引き伸ばされた程度の状態

2度損傷:靭帯が完全ではなく、部分的に断裂している状態

3度損傷:靭帯が完全に断裂している状態

この他にも骨折を伴うもの可能性があるものには超音波検査やレントゲン写真を使用し、診断をします。

●足関節(足首)捻挫をしてしまった時の対処法

もし足首を捻ってしまい痛みや腫れが強く出た時のアイシングは痛みを緩和させるのに効果的です。

ですが、アイシングも長時間行ってしまうと凍傷の恐れや治癒を遅らせてしまう原因にもなりますので、
必ず15分以内にとどめましょう。

そして足首を極力動かさないように安静にしてください、捻挫の程度によっては2〜3週間程度の固定が必要になる場合もあるので、すぐに整形外科や整骨院等に診察を受けに行って下さい。

アイシングの正しい使い方や作り方は大木接骨院のブログにてご紹介しています。

「アイシングの作り方」「最新のRICE処置」

参考:日本整形外科学会「足関節捻挫」
医学書院「標準整形外科学」

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