一度でも肩の痛みや肩こり等の違和感を感じたことがある人は多いのではないでしょうか?

野球やテニス等でのスポーツ障害、家事や仕事中に肩が上がらなかったり、眠れない程の痛み等、

多くの人が悩んでいる肩の不安を少しでも解消できるよう、肩関節疾患の解説をしていきます。

肩の痛み関係のブログについてはコチラから

「テニスのサーブで起こるインピンジメント症候群」

「肩の痛みや肩こりはストレッチで改善するのか?」

「あなたの肩はさがっていませんか?」

1、肩関節疾患の概要

●外傷も慢性痛も多い関節

肩関節は日常的に使うシーンが多く、
日常的に起きている慢性痛と、
スポーツ等で起こる急性外傷のどちらも多い関節です。

五十肩・四十肩、肩こり、肩関節脱臼、インピンジメント症候群、腱板断裂、胸郭出口症候群など肩周囲で起こる症状は非常に多くあります。

高校野球のピッチャー

●肩の疾患は老若男女に起こっている

厚生労働省の調べによると肩の痛みは女性に多いという調査結果が出ていますが、

投球障害などのスポーツ疾患はもちろん、小学生でも肩こりを訴えているという時代です。

その背景には荷物を学校に置くことが禁止になり、毎日重いランドセルを背負っての登下校をしたり、

スマートフォンの普及により長時間の猫背による影響など、時代による仕事や文化の変化が大きく関わっていると考えられます。

ランドセルを背負った小学生

肩の痛みはどんな人にも起こり得るし、色々な原因があります。

自分の肩の痛みの原因が一体どこからきているのかをハッキリさせることで、

”痛み”や”不安”から解消することができるかもしれません。

2、肩関節疾患の特徴

パソコン作業や家事での肩こり

●ただの肩こりと思って放置するのは危険

「パソコン仕事だから肩こりは仕方ない」、「毎日のことだから慣れた」といった声をよく耳にします。

肩こりは我慢し続けた結果、眠れないほどの痛みや、いつのまにか肩が上がらなくなるケースもあります。

肩こりはなにか異常が起き始めているサインでもあるため、注意が必要です。

●肩関節は自由度が高い

肩関節は球関節といい、膝や肘などと比べると色々な方向に動かすことができます。

肩関節は骨での支えが少なく、筋肉や靭帯などの組織で固定されています。

そのため、筋肉の使い方を間違えてしまうと、関節は簡単にずれてしまい、痛みが発生するようになります。

脱臼が多いのもこれが理由とされています。

●デスクワークの人は肩を痛めやすい

デスクワークで肩周りに痛みがある人は多いです。

これはデスクワークが問題というわけではなくデスクワーク中の姿勢が深く関与しています。

パソコンの画面が低かったり机に覆いかぶさるような”猫背の姿勢”が肩の痛みに深く関わっています。

姿勢の改善やパソコン画面の高さを調節するなどの工夫が必要です。

3、よくある肩関節疾患

肩の痛み

整骨院や整形外科等に行く前に現在の自分の肩がどうなっているか不安に思う人のために、

一般的によく起こると言われている肩の代表的疾患を記載しますので参考にしてください。

●腱板損傷

肩にある回旋筋腱板という組織が損傷や断裂してしまう疾患の事を言います。

主な症状としては肩を動かした際の痛みや腕が上がらない、腕を上げた状態での保持が出来ない等の筋力低下があります。

50歳代以降になると軽度な刺激でも回旋筋腱板を損傷してしまう可能性があります。

●野球肩

繰り返しの投球動作によって、肩周りの組織を損傷した結果として痛みが出る障害の総称です。

投球フォームが間違っていたり、過剰に練習をしている際等に発症します。

投球動作のどのタイミングで痛みが出るのを調べることが必要となってきます。

●夜間痛

夜間痛とは寝ている時の痛みのことを指し、様々な疾患が原因として関与しています。

夜に安静にしていると昼間動いている時よりも感覚が敏感になるため、痛みを感じやすくなります。
眠れない程の痛みが出る場合もあるため早急に整骨院や整形外科等で処置が必要です。

●四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)

一般的にも有名な四十肩は明確な定義のある疾患名ではなく、肩関節周囲炎と言います。
この肩関節周囲炎が40歳代に起きることを四十肩と呼びます。

主な症状は痛みと動きの制限があり、自然治癒する傾向も強いですが、数年後に再び発症することもある原因が明確化されていない疾患の一つです。

●インピンジメント症候群

インピンジメントとは衝突という意味があります。本来はぶつからない肩の組織同士が衝突してしまい、
“痛み・腕を上げた際の引っかかり感・筋力低下”などが起こります。

どの年齢層にも起こる可能性があり、テニスや野球等の肩を酷使するスポーツ選手に多く発生します。

参照:鳥巣岳彦・国分正一
「標準整形外科学 第9版」 医学書院.

これらの肩関節疾患の診断は難しく検査の手段もいくつかあります。

整形外科では画像診断が可能ですが、明らかな外傷(骨折や脱臼等)ではない場合の画像診断は難しいことが多いです。

自分の肩の状態と原因を確実に特定した上で施術を受ける必要があります。

参考:「子どもが「肩がこる」と言う。子どもなのに肩こり?【原因と対策】」花王ヘルスケアナビ
「平成28年 国民生活基礎調査の概況」 厚生労働省
「日本整形外科学会」

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