肩には回旋筋腱板というインナーマッスルがあります。
それを損傷してしまうと手が上がらなかったり、重いものが持てなくなったりします。
気づかないうちに腱板損傷をしていたというケースも意外と多くありますので、肩に不調を感じている方は是非参考にしてください。
1,腱板損傷の概要
●腱板損傷とは
肩には棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つの筋肉の総称である回旋筋腱板(Rotator cuff)と呼ばれるものがあり、肩のインナーマッスルであり肩甲骨に付着していて肩の動きに対して重要な役割を持ちます。
これらの筋肉を損傷することを腱板損傷と呼び、この4つのなかで棘上筋がもっと損傷しやすく、中には完全に断裂してしまう場合もあります。
●腱板損傷の症状
・痛み
腱板損傷による痛みは人によって異なり、急性外傷で起きた場合は強く痛みが出ますが、痛みがほとんどなく肩の動きが主な症状になる人もいます。
・可動域(動き)
腱板損傷による可動域の特徴として、反対の手や他の人に動かしてもらうと動くことが多いことです。
四十肩・五十肩では凍結肩と表現されるように固まってしまい動かない場合がほとんどですが、腱板損傷では自力で動かせない、力が入らないといった場合が多いです。
※少ないながらもあ固まってしまう症例もあります。
2,腱板損傷の原因
●加齢などによる退行変性
腱板損傷で一番多いと言われている原因です。
年齢を重ねて活動が減ることにより、インナーマッスルが弱ってしまいます。
もともと小さいインナーマッスルがさらに弱くなってしまうとなんてことのないことで、気づかないうちにいつの間にか損傷していることがあります。
五十肩かなと思って詳しく調べてみると腱板損傷だったということもよくあるそうです。
●急性外傷
転倒などによって肩や手をついた時に腱板にストレスがかかって損傷してしまうことがあります。
腱板が弱っていると重いものを持ち上げたり、手すりに体重をかけた時などちょっとしたストレスで切れてしまう場合もあるようです。
●スポーツでの怪我
若年者が腱板損傷を起こす場合はスポーツによるものが多いです。
特にオーバーヘッドスポーツである野球のピッチャーやテニスなどで肩を酷使している選手は常に筋肉が疲労しているため、同年代よりも腱板損傷が起きる可能性は高いと考えられます。
3,腱板損傷の予防
●アウターマッスルとインナーマッスルの違い
ほとんどの関節にアウターマッスルとインナーマッスルが存在します。
この2つの違いを分かりやすく簡単に説明すると、
大きくて力強く関節を動かすのがアウターマッスルで、小さくて関節を安定させるのがインナーマッスルです。
このバランスがとても大事で、力強いアウターマッスルのみで関節を乱暴に扱っていると痛みにつながることが多いです。
●インナーマッスルを強くする
腱板損傷の原因の1つであるインナーマッスルの弱さを改善することが予防になると考えられていて、腱板損傷のリハビリでもインナーマッスルのトレーニングは頻繁に行われています。
多くの人の場合アウターマッスルが強く、インナーマッスルが弱い状態になっているため、筋力のバランスを整えることで腱板損傷に限らず、様々な肩の痛みに良い効果をもたらします。
しかし、専門的な知識をもっていない人は当然強い筋肉を優先的に使ってしまうため、インナーマッスルのみを強くすることは非常に難しいです。
必ず専門家の指導の下で行うようにしてください。
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