有名な腰痛疾患の1つである腰椎椎間板ヘルニアですが、実際にヘルニアと診断された人の中にも自分の腰になにが起きているのかわかってない人も少なく有りません。

ヘルニアとは身体の中でなにが起きているのかを解説していきます。

1,腰椎椎間板ヘルニアの概要

新中野にある大木接骨院では椎間板ヘルニアの解説をする。

●ヘルニアという言葉の意味

ヘルニアと言うのは突出や脱出という意味があります。
椎間板ヘルニアとは椎骨と椎骨の間にある椎間板が押しつぶされて、はみ出してしまうことを言います。
(実際は椎間板の中にある髄核という組織が突出します。)

この現象が腰の椎骨で起きることを腰椎椎間板ヘルニアと呼びます。

椎間板に限らず正常な位置から組織が飛び出している状態をヘルニアと呼びます。

なので、”食道ヘルニア”や”鼠径ヘルニア”など様々な組織でヘルニアは発生します。

●レントゲンでは判断しにくい

椎間板ヘルニアの診断方法は何種類かあります。

1.レントゲン(エックス線)・・・椎間板自体は写らずに背骨の曲がり具合で判断するため信頼度は低い。

2.MRI・・・電磁波を使う診断方法で、椎間板も写し出され全ての角度からの診断が可能なためレントゲンに比べ信頼度は高い。

3.脊髄造影・・・造影剤を背骨に注入して写真を撮影する。この方法は手術を前提として行うため通常の検査では行わない

これらの検査でも100%正しい結果が出るわけではありません。
病院や整形外科での診断は「椎間板ヘルニアの可能性があります。」というような曖昧な診断を受ける場合も多くあります。

参照:鳥巣岳彦・国分正一
「標準整形外科学 第9版」 医学書院.

2,腰椎椎間板ヘルニアの原因

畑を耕す男性

●男性労働者にヘルニアは多い

運動器疾患には職業やスポーツなどの身体運動が深く関わっていることが知られています。
しかし、腰椎椎間板ヘルニアも含めて100%原因がはっきりしている運動器疾患はまだまだ少ないのが現状です。

現在の研究や症例によって報告されていることについて説明していきますので参考にしてください。

1.仕事との関係

重労働や車の運転などは関係があるという報告があります。

腰椎椎間板ヘルニアを職業別に調査したところ男性の重労働者や運転手などは事務仕事に比べると3倍のリスクがあると言われています。

前かがみの姿勢で物を持ち上げたり、腰を捻るような動きでもリスクが上がると報告されています。

2.スポーツとの関係

スポーツ障害の一つとして腰椎椎間板ヘルニアがあります。

しかし、スポーツと椎間板ヘルニアの関係は明確に分かっておらずテニスやバドミントンなどのラケットスポーツとは関係が無いという報告もあります。

スポーツとの関係性を詳しく研究するのは困難で、現代医学ではスポーツがヘルニアを誘発するかどうかは明確化されていません。

3.食生活とタバコ

食生活とヘルニアは無関係という報告もありますが、実際の関係性は不明です。

タバコに関しては椎間板ヘルニアを誘発すると言われていて、アメリカの研究で20歳〜64歳の325人を対象とした研究では、一日10本のタバコを吸う人はヘルニアのリスクが約20%上がり、椎間板の変性を促進するという研究結果が出ています。

4.遺伝するのか?

最近の研究で、腰椎椎間板ヘルニアは遺伝的要因があると報告があります。

特に、10代でのヘルニアは遺伝的要因が強いと言われおり、
日本で行われた研究では18歳以下のヘルニア患者では家族内発生が多いという結果が出ています。

参照:「腰椎椎間板ヘルニアと職業・スポーツ・生活習慣との関係/自然経過」南江堂.
日本整形外科学会診療ガイドライン作成委員会/腰椎椎間板ヘルニアガイドライン策定委員会

3,ヘルニアによる痛みとしびれ

自宅で腰を痛めた中年男性

●痛みの特徴

突発的に起きた場合は1〜2日は体が動かせないほどの激しい腰痛とお尻に痛みがが出現し、数日後には放散痛と呼ばれる、痛みやしびれが片足にかけて出現していく症状が特徴となっています。

安静にしていると症状は落ち着いてきますが運動や労働で悪化する場合があり、
咳やくしゃみをした時にも症状が現れることもあります。

●しびれの特徴

椎間板ヘルニアによって飛び出した椎間板が近くを通っている神経を圧迫することによりしびれが出現します。
腰椎は5個存在し、上から3番目以降に多く発生します。

ヘルニアが起きた場所によってしびれの出る範囲も変化してきます。

・3番と4番の間→太ももの前から膝周りにしびれ
・4番と5番の間→太ももの裏、すねや足の指にしびれ
・5番の下→足の指から裏にしびれ

●生活動作の変化

症状が継続するると活動量が減り、足の筋肉が落ちてきて少しの段差につまずくようになったり、
スリッパが脱げやすくなったりと今までは起きなかったことが起き始めます。

歩く際には痛みをが出た部位をかばうために体や膝を曲げながら歩くようになります。

参照:清水克時「腰痛知る診る治す」MEDICAL VIEW.

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